朝のひとときが美しい文字へ
- Mihoko Blue
- 8月21日
- 読了時間: 5分
お盆が過ぎて、まだまだ猛暑が続いていますが、心なしか吹く風が和らいだ気がしませんか。
庭を見回すと、ハーブたちが夏の花盛りを終えて一斉に静かになり、青かった実が濃くなり始めています。桃式部の実がたわわに実っているのを見つけると、やはり季節がちゃんと進んでいることに気付かされて、ホッとします。

けれども、猛烈な暑さには変わりありません。この時期は夏バテ気味で、夜ベッドに入ってもなかなかスムーズに寝付けないのと同じように、ペンを持ってもなかなか集中できないものです。
今月はワークショップも夏休みをいただいているので、その分書く時間を確保できるかと思いきや、家事や仕事に追われてしまっています。きっとみなさんも同じような思いを抱えているのではないでしょうか。
そこで思いついたのが、朝の時間を活用することでした。せっかくなら一人ではなく、書きたいという気持ちを持つ人と一緒にと思い、生徒さんたちにお声がけし、zoomで繋いでただただ書くだけの「朝カリグラフィー」を提案してみました。
すると、皆さん同じような気持ちでいらっしゃったようです。
「練習できてない」
「夏休みはイレギュラーな用事が多くてなかなか書けない」
「レッスンがお休みなので課題が進まない」
などなど、同じように滞っていらっしゃるではありませんか!「朝カリグラフィー」でぜひ書くことの感覚を取り戻してほしい!
朝、家族を見送り、家事をひと通り超高速で終えて、カリグラフィーの準備です。涼しい部屋でドリンクと、最近書くときのお気に入りプレイリスト(Spotify `Relaxing Jazz Piano' ピアノの音が静かに響いて、書くことにフォーカスできる秀逸プレイリストです)を流してスタンバイ完了。みなさんをお迎えします。
まずは鉛筆でウォーミングアップ。これは頭と身体に「これから書くよ」と知らせる大切な儀式です。
姿勢を整えて、小さなオーバルから始めて大きなオーバルをゆったりと。徐々にスピードを上げながら、腕の可動域を広げていきます。いくつかのパターンを書いていくうちに、ぎこちなかった手の動きがだんだんスムーズになってほぐれていくのがわかります。
この準備運動をきちんと行うと、指、手首、腕、肘、肩まで適度にほぐれて、その後のストローク練習が驚くほどスムーズに書けるようになるのです。

次に、ペンに持ち替えてストローク練習。改めて姿勢を正し、ペンを軽く持ち、肩の力を抜いて、呼吸を整えながらゆったりと書き始めます。
息を吸って、吐きながら静かにペンを動かして、ひとつのストロークに3秒から5秒をかけて。目線はペン先に。インクが紙を染めて線になるのを目で追いながら、ひと筆ひと筆大切に書き進めます。
先ほどの準備運動をきちんとしていると、一本のストロークが震えることなく、ペン先が彷徨うことなく、安定して書けるのです。ガイドシート一枚がストロークで埋まる頃には、しっかりと書くモードに入っています。
ここからようやく、今日書きたい文字の練習に入ります。といっても、いきなり単語やフレーズを書き始めるのではありません。文字ごとのストローク練習から入り、繋いで、文字へと丁寧に整えていきます。
文字が上手く書けない時は、ストロークが不安定ということ。そんな時は一つ前のストローク練習に戻ります。この繰り返しによって、ようやく身も心も『書ける状態』となるのです。
ここまで、じっくりと進めれば60分ほど。
60分と聞いて「長い」と感じられるかもしれません。でも、この丁寧な準備の後に書く文字は格段に滑らかで、柔らかく、美しいものになります。
いきなり書き始めて思うように定まらない文字をいくつも書くよりも確実で、結果的に早く美しい文字に近づくことができます。その時持っている自分のベストパフォーマンスを最短で引き出す方法だと確信しています。
実際、ご参加いただいた皆さんからは
技術面では
- その後スムーズに文字が書けて練習が捗った
- 安定して文字が書けた
- いつも苦手なストロークが綺麗に書けた
心の面では
- 朝から集中していい時間だった
- 書くのが楽しかった
- ゆったり心地良かった
このような感想をいただけました。心も整ったようで、何よりです。きっとその後も、素敵な一日を過ごされたことでしょう♡
そして私も…
この夏のテーマ「海と青と愛」をもとに、一つの作品を書き上げることができました。何枚も書いたうちの一つをInstagramに投稿していますので、ぜひご覧くださいね。(こちらから)
仲間と共に書くことで、モチベーションとパフォーマンスをグッと上げる「朝カリグラフィー」。カリグラフィーを始めたばかりの方も、現在レッスンをご受講されている方も、ご自身のカリグラフィースタイルを確立されている方も、それぞれのフェーズで書きたい気持ちを大切に、基本のストロークにフォーカスしてただただ文字を愛でる時間なのです。
朝の静寂の中で、心を込めてペンと紙に向き合う。きっと、新しい発見と心地よい充実感を感じていただけると思います。そしてご一緒に書けることも、幸せなことなのです。





