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記憶を辿る旅へ | 50年の時を経てあの頃を歩く

10月10日
読了時間: 5分

こんばんは。

Blue blue Letters の Mihoko です。


朝晩ぐっと冷えるようになり、庭の木々が色づき始めました。リビングの「空のソファ」——ここに座ると、目の前の窓から空だけが見える我が家の一等席——からは、秋色に染まる山々や夕焼けが眺められます。日ごとに深まる秋を感じるこの時期は、わたしのいちばん好きな季節です。


旅の途中で出逢った彼岸花。雨に濡れて真紅が鮮やか。
旅の途中で出逢った彼岸花。雨に濡れて真紅が鮮やか。


秋生まれだからか、秋になると心が落ち着きます。幼い頃から、栗拾いや家族旅行など、自然を味わう思い出が多いのも秋です。絵の具と画板を抱えて、近くの山に登り色づく葉や木の実をよく描いていたことを思い出します。子どもの頃の経験が、今のわたしをつくる大切な要素になっているな、と......最近、つくづくそう感じるのです。


ところで、みなさんは子どもの頃の『記憶を辿る旅』をしたことはありますか。



この秋、記憶を辿る旅で訪れた太宰府天満宮。
この秋、記憶を辿る旅で訪れた太宰府天満宮。


雨の博多で、旅のはじまり

先日、福岡を旅してきました。福岡は、約50年前に住んでいた町です。去年亡くなった母は「博多はもう一度住みたいところ、また行きたい」とよく話していました。そんな家族の思い出が詰まった場所へ、妹と二人で、『記憶を辿る旅』をしてきました。


出発の日からあいにくの雨模様。博多駅に着いても小雨が降っていましたが、今回の旅の目的は「住んでいた町を歩いて巡る」こと。傘をさして決行することにしました。


高宮へ。色を取り戻した記憶

目的地は高宮。西鉄高宮駅から歩いて15分ほどで、見覚えのある景色が広がってきます。


当時のわたしは小学校高学年。夏に水不足で断水になると、妹と弟と連れ立って、近くのお宮さんへ給水をしてもらいに通いました。その最上稲荷が、当時のままの姿で佇んでいたのです。お宮さんを目にした途端、あの頃の記憶が一気にあふれ出し、遠く色褪せていた思い出が、鮮やかな色を取り戻すような感覚でした。


深い緑に覆われた最上稲荷さん。この辺りは閑静な住宅地が広がっています。
深い緑に覆われた最上稲荷さん。この辺りは閑静な住宅地が広がっています。

深い森の中へ続く階段を登ってお参りをして、そこから住んでいた家までの道は、もう体が覚えていました。辺りは新しい家に建て変わり、住んでいた家も家主が変わったのか、すっかりモダンな建物になっていました。それでも、門まで長い階段を登っていくアプローチはあの頃のまま。母が親しくしていたお隣のお宅も変わらず、懐かしくてしばらく眺めていると、よく遊んだ庭や、裏山の景色が鮮明に浮かんできました。


通学路をたどって

そこから、通学路を思い出しながら小学校へ。急勾配の坂を登ると、昔はテレビ西日本(TNC)のテレビ塔がありました。今はもう大きなマンションに建て変わっていましたが、ゆったりとした雰囲気は今も変わらず。よく友達と遊んだ公園、待ち合わせた交差点、親子で集った公民館……記憶の通りに見つけることができました。


小学校は、マンモス校だったあの頃のまま、大きな校舎広い運動場も、今見てもやっぱり大きくて。持参した当時の運動会の写真と見比べながら、ずっと変わらない姿にちょっと感動でした。

小学校って不思議ですね。そこに立つだけで、あの頃の匂いや音が戻ってきて、友達や先生の名前までふっと思い出すのですから。


甘酸っぱくほろ苦い、中学校の記憶

さらに小雨の中をひと歩きして、中学校へ。タモリさんなど、芸能人の卒業生も多い歴史のある大きな中学校です。


セーラー服の制服が嬉しくて、入学式の日のことをよく覚えています。体操部に入って、部活のあとに友達と延々おしゃべりし尽くした通学路……。父の転勤で、在籍したのはわずか1学期。それでも校舎を見た途端、甘酸っぱくほろ苦い記憶が胸いっぱいに甦りました。あの頃いつも一緒にいたみんなはどうしてるかな、なんてまた会いたくなりました。


懐かしい校舎と正門前で。
懐かしい校舎と正門前で。

歩き終えて

小雨の中、半日で約17000歩。それなのに、不思議と疲れるどころか、なんだかスッキリした気持ちでした。福岡で過ごした2年間は、人生の中ではとても短い時間ですが、家族や友達との大切な思い出がぎゅっと詰まっています。


京都から移り住み、言葉や習慣の違う土地で家族で力を合わせて楽しく過ごしていた記憶は確かです。その後の海外移住や単独帰国する時、今の奈良に家を建てる時にもこの経験は活かされているなと感じています。


また、妹とわたしでは、覚えていることも当時感じていたこともまるで違っていて、それもまた面白くて。ここに母がいたら、また違う思い出話が出てきて、どんなに楽しかっただろう——そんなことを思いながら、妹と語り尽くす夜でした。


The Kitchen 美しい夜景を眺める窓際のお席で
博多湾を眺めながら。The Kitchenにて

還暦を前に

子どもの頃の『記憶を辿る旅』、なかなか良いものでした。自分の原点を再確認したり、「だからこうなったのか、わたし!」なんて発見があったり。そんな生い立ちが、また愛おしくなったり。すっかりいい大人になった今だからこそ、おすすめしたい旅です。


そして、いよいよ来月、わたしは還暦を迎えます!

ここまで健康で幸せに過ごせたのは、産み育ててくれた両親のおかげ。そして今、大切な家族、素敵な親友たち、カリグラフィーやカメラで出会ったセンス溢れる仲間たち、ご一緒に書く喜びを深める生徒さんたち、そして、こうして今日もブログを読んでくださっているあなたがいてくれることに、心から感謝です。


その感謝の気持ちを込めて、来月のわたしの還暦お祝い月に、みなさまへ ささやかなプレゼントを企画しています。来月の初めに、こちらのブログと公式LINEで特別にお知らせしますね。どうぞお楽しみにしていてください♡


今日は少しプライベートなお話でしたが、ここまでお付き合いくださって、ありがとうございました。


素敵な秋の夜を。


旅の終わりに。由布院亀の井別荘・バーにて。 色づき始めた紅葉に乾杯。
旅の終わりに。由布院亀の井別荘・バーにて。 色づき始めた紅葉に乾杯。





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