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手書きが届けてくれるもの

こんにちは

Blue blue LettersのMihokoです。


いよいよ梅雨入り。朝から空はどんより、降ったり止んだりの空模様に気分がブルーになりそうです。早々に庭仕事を切り上げて、2階のウッドデッキにある、今かわいく咲いてるクレマチスを愛でます。


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この壺型クレマチスは、昨年の秋、ボタニカルカリグラフィー®︎ワークショップでもみなさまと描いた、わたしの大好きな花。ワークショップ後に苗を手に入れて、冬を越してやっと、初めて手元で咲かせることができ、五月の半ばに一つ目が咲き始めてから毎日、その可憐な花姿にうっとり見入ってい​ます​。こうして眺めているといくらでも時間が過ぎていきます。


こちらのクレマチスのカードは、ワークショップご参加者さまにも人気でしたが、差し上げた方にも大好評でした。それは、わたし自身がとても大好きな花なので、何度も繰り返しこの花を愛で、スケッチし、デザインを起こし、カードに仕立てるまでたくさん描き上げたものなので、わたしの好きや拘りが全部現れているからかもしれません。

Botanical Calligraphy 'Clematis' autumn 2024
Botanical Calligraphy 'Clematis' autumn 2024

どんな花でもそうですが、まず、その花をよくよく愛で、観察します。光に照らされた時や風にそよぐ時の変化、一番綺麗な表情を捉えたくて、時にはカメラを構えながら眺めます。それからスケッチを始めます。色の組み合わせ、花びら、全体の花姿、空に向かって伸びる茎や葉っぱの形、大きさに至るまで、そこに佇む情景が浮かんでくるように、ストーリーを思い描きながらデザインを考えます。


例えば

初秋の頃だったら、少し涼しくなった頃の、昼下がりに庭に出て気づいた匂い立つ花木たちの秋の香り。今の時期なら、朝の雨に濡れてしっとり艶やかな花びら、雨粒のついた葉っぱが光を受けてキラキラしている様子......そんなストーリーを思い描きながら、描くのです。


最後に、今の気持ちを、あるいは届けたいメッセージをカリグラフィーで書きます。


これが、一番大切なのです。


書きたいフレーズが決まったら(どうやって決めているかは、また今度お話ししますね)練習を始めます。ペンに金属のニブをつけて、インクを選び、そっとペン先に付けます。ガイドシートでしっかり練習した後、集中力を研ぎ澄ませて、カードに清書します。呼吸を整えて、静かに息を吸い込み、吐きながら、ペン先が紙の上を滑らかに​動き、インクで文字が染められていくのを見つめながら、息を吹き込むように、じっくり、ゆっくり、時間をかけて。

最後に文字を添えるときは、全神経を集中させて一筆ごとに息を吹き込むように。
最後に文字を添えるときは、全神経を集中させて一筆ごとに息を吹き込むように。

こうして仕上がった文字は、今のわたしが書ける、たった一度限りの渾身の文字です。

大袈裟?でも、本当です。適当に書く文字などひとつもありません。merciなどの短い単語であっても、英詞などの長めの文章であっても、行う工程はいつも一緒です。同じものは二度と書けないので、その時のわたしの手が書き出す唯一無二のマイベストなのです。


そんな風に手間暇かけて仕上げたカードを、わたしは家族や友人、大切な人へ贈ります。手渡しが理想ですが、プレゼントに添えて宅配便で送ったり、郵送で海を越えていくこともあります。


手に取って見てくださる方はみなさん、笑顔。この一瞬の、ほころぶ表情がたまらなく好きで、その表情見たさに何度も贈ってしまうのです。親友は、ずっと残してくれているそうです。恥ずかしいほど下手くそなカリグラフィー始めたばかりのものも、大切に。笑


文字の上手い下手は関係ありません。

受け取ってくださる方に、どんな思いを届けたいか、その思いを込めて、文字を綴ります。その贈りたい気持ち、書き表したい思いが大切で、その思いが文字となり、手から手へと伝わり相手の方に響いていくのだと思います。


わたしは、たった一人の大切な人に響けば幸せ。そんな気持ちで、毎回書いてます。それを記録するためにスタイリングして撮影し、投稿したものをご覧いただき、素敵と言ってくださるなら、その方の豊かな感受性に感謝しかありません。それをわたしに伝えてくださるなら、わたしにとって最大の糧になり、励みになり、もっと練習して上手くなりたいと思います。


まだまだ、わたしは鍛錬の途中にいます。今の文字に満足することはありません。だからずっと書き続け、少しづつスタイルも変わってきています。ですが、昨年、わたしの文字スタイルのベースとなる書体をガイドシートに落とし込み、テキストにすることができました。こちらは、初めてカリグラフィーを学ぶ方向けのカリグラフィーベーシックコースとしてプライベートレッスンをリリースしており、さらにワークショップ後のカリグラフィークラスも始めました。


手書き文字が気になる方、まずは筆記体書いてみたいでもいいし、英詞を綴ってみたいでも、素敵です。そんなささやかな願いがモチベーションとなり、継続して書くこと(ここ大事!)でカリグラフィーがあなたの一生のスキルとなることしょう。


相手を思い、言葉を綴る楽しさ、幸せなひとときをご一緒くださる方はいつでもウエルカム、あなたらしくカリグラフィーを味わい楽しむお手伝いを、わたしが精一杯努めさせていただきます。


カリグラフィーは、なんだか大変そう、という方は、まずは手書きを日常に取り入れることから始めてみませんか。

次回は、日常に気軽に取り入れることができる手書きをご紹介します。お楽しみに。

今朝摘んだクレマチスに「そよ風の中に、あなたの優しさが聞こえる」と添えてスタイリング。
今朝摘んだクレマチスに「そよ風の中に、あなたの優しさが聞こえる」と添えてスタイリング。


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